2015/11/14
昔、私はコンビニでバイトしていたのだが、変わったお客さんがいた事を何故か今頃ふと思い出した。
そのお客さんは、外見から察するに50歳前後だったように思う。短髪、色黒、清潔感があり、見た感じ真面目な雰囲気で、会話も普通にできる紳士だった。
ただ、ある一点だけがとても変わっていた。
とある年の夏、品出しをしていた私は異変に気付いた。レジのおばさん達が何やらザワついている。何事かと思いレジに駆けつけると、ザワつきの原因がすぐに分かった。ガラパン姿のおじさんが買い物に来ていたのである。これが私とおじさんの出会いだ。
おじさんの格好は、ガラパン一丁というワケではなく、Tシャツ、靴下、サンダル、ガラパンといった具合だった。もちろん見せパンではなく、地味な普通のトランクスである。あとズボンさえ装着すれば何の問題もないのに何故?
その日、何らかの事情で仕方なくガラパン姿で買い物に来たのかも?とも考えたが、柄は変われど同じスタイルの格好での来店は夏の間中続いたことから、そういうワケでもないらしい。
そして、季節は進み、肌寒くなってきたころ・・・
私がバイトしていたコンビニには、ちゃんとズボンをはいて買い物をするガラパンおじさんの姿があった。んー、ちゃんと穿けるんかい!!
どうやら、暑けりゃガラパン、寒けりゃズボンという考えだったようだ。あの格好は、ギリギリ通報されずに快適さを実現する、ガラパンおじさん独自のスーパーテクニックだったのかもしれない。
もちろん、次の夏にはガラパンスタイルに戻っていた。
その格好から、女性店員は接客を嫌がる人が多かったため、私がいる時は私が接客していたが、最初の内は吹き出しそうになるのを堪えるのが大変だった思い出を何故だか今思い出した。
あのおじさんは、今も元気にしておられるだろうか?